28.多臓器浸潤を伴って発症したIgE型骨髄腫の1例

摘要

【症例】60歳代男性。202X年3月より食欲不振とともに体 重減少(10kg/2ヶ月)を認め前医受診。上部内視鏡検査に て多発性の胃潰瘍,胸腹部CT検査にては多発肝腫瘤，両側 胸水，腹腔内多発リンパ節腫大を認めた。血液検査では貧 血,血小板減少，腎機能低下を認めた。血清IgE値は3,700IU/mlと高値で,IgG, IgA, IgM値は低値であり,血液疾 患が疑われ当院紹介となった。当院受診時WBC 4,900/mul (Plasma 5.0%), Hb 7.9 g/dl, Pit 3.4 万/mulであり,IgE 値は 4,720,000 IU/mlと著明高値を示しIgEkappa型のM蛋白が確認 された。骨髄中68.6%に骨髄腫細胞を認めIgEkappa型骨髄腫と 診断した。染色体検査ではt(U;14)を含む複雑核型を示し, FISH検査ではIgH-cyclinD1融合シグナルおよび1q21 amplification が認められた。