発熱一夜間発熱時への対応,抗菌薬選択の考え方

摘要

入院患者の発熱には迅速な対応が求められ，当直時間 帯も例外ではない。発熱の原因は，感染性疾患と非感染 性疾患に大別され(表1)，非感染性疾患では薬剤熱や悪 性腫瘍,深部静脈血栓症などの血栓塞栓症,偽痛風など， さまざまな疾患がある。感染症治療への薬剤師の関わり は，近年の抗菌薬適正使用支援チーム(antimicrobial stewardship team ； AST)の拡大によりいっそう強く なっている。一方，感染症治療に使用される抗菌薬や ターゲットとする微生物は多岐にわたり，苦手意識をも つ薬剤師も多い印象がある。本稿を通じて感染症治療の 基本的な考え方や検査，抗菌薬選択についても理解を深 め，自信をもって当直対応ができるきっかけとなれば幸 いである。