39. B-ALLに対するblinatumomab治療後,広範に有していたHLA抗体が消失した症例

摘要

症例は66歳男性。X年9月,発熱を機に前医を受診し，Ph陰性B-ALLと診断された。Hyper-CVAD療法を開始されたが寛解に入らず，10月，同種移植検討目的に当院へ転院となった。転院時の骨髄検査ではblast97.5%であった。Blinatumomabの投与により寛解を目指した上で臍帯血移植を行う方針としたが，HIA抗体検査の結果,広範にHIA抗体を有している事が明らかになった。VP-16投与後にblina-tumomabを開始した。有害事象として血球減少とCRSにょる発熱を認めたが，投与継続可能であった。Blinatumomab終了後の骨髄検査ではblast 19.6%の残存を認めた。この時点で臍帯血バンクにHLA抗体測定を依頼した結果，HLA抗体が全て陰性化していた。Blinatumomabにより抗体産生細胞が減少し,HLA.抗体の消失が得られた可能性が考えられた。