自己制御ヒータの省エネ性とその採用する際の各種規制

摘要

脱炭素社会への速やかな移行は、緊急かつ重要な課題であることに疑いはない。全産業において、処々の施策が速やかに実施されるべきで有り、現在、行われている多種多様な二酸化炭素削減の取組み等は、確実に、実施して行かなければならない。それら諸施策において、省エネ性の優れるものを選定しなければならないことはいうまでもない。自己制御ヒータは、従来の金属線ヒータとは大きく異なり、オーバーヒートしないという卓越した安全性の他、ヒータ自身がその出力を周囲の環境に合わせ増減するというという特性がある。省エネ性であり、日本においても、プラント配管保温から一般家庭の水道凍結防止に至る用途まで、幅広く利用され、既に40年に渡り、使用されている。ただ、日本においては、実際に使用する際には、電気事業法、労働安全衛生法、消防法等の関連法規が複雑に絡み、突際に使用することを躊躇する事業者も多く、各種プラントの配管タンクの温度保持等ついては、スチームトレース等の従来の手法が踏襲されることが多く、コスト削減ができる最新の技術であっても、積極的に活用されているとはいい難い。今回は、自己制御ヒータの特徴を解説するとともに、その採用する際の関連法規について説明する。用語については、各法令での統一されていないが、ここでは、関連法規の用語にとらわれず、一般的な用語を使用する。