Breast and Endocrine Tumor 乳腺内分泌腫瘍 周術期早期乳がん補助薬物療法の新たなる 展開 皿.Monarch E 試験

摘要

ER陽性HER2陰性乳癌はLuminal typeと称される が,術後にホルモン療法を行うことで再発のリスクを低 下させることが可能で，比較的予後良好な場合が多い。 しかしながら,リンパ節転移の数が多い症例やグレード が高い症例，腫瘍径の大きい症例などはLuminal typeの なかでも再発リスクが高いため,化学療法などを併用し リスク低減を試みるが,それでも一定数の再発を来して しまう。この場合は,トリプルネガティブ乳癌と同様 に術後3年以内の早期に多く再発することが示唆されて いる.このようなLuminal typeで再発高リスクの早期乳癌 に対応するために化学療法のレジメンの変更などで対応 を図ったが,これまで有効な方法は開発されなかった。 転移再発乳癌に対しては,Monarch 3試,験などにおいて アロマターゼ阻害薬(AI)にCDK4/6阻害薬であるアベ マシクリブを併用することで，無増悪生存期間が約2倍 延長することが判明した。この結果から,Luminal type で再発高リスク早期乳癌の術後早期再発を低減させるた め,内分泌療法にアベマシクリブを併用することが有効かどうかを検討するためにMonarch E試験が計画された.