ブタの生存産子数における効率的な遺伝的能力評価手法の検討

摘要

ブタの生存産子数を効率的に改良する手法として，まず，生存産子数に適した遺伝的パラメータ一 推定モデルについて検討した.生存産子数では，異なる産次間における遺伝相関は1よ0小さい値が報告さ れている.そこで,初産と2産以降の生存産子数を遺伝的に異なる形質とした2形質モデルについて検討した. 次に，生存産子数と遺伝的関連性の高い形質を選抜福標とする方法について検討した.初産と2産以降を異 なる形質とした遺伝的パラメ一ターの推定モデルを用いると，両形質に共通な永続的環境効果によ0相加的 遺伝分散や永続的環境分散の推定値は偏ると考えられた.また，生存産子数との遺伝的関連性を調べ，生存 産子数の選抜指標となる形質について検討した結果，分娩時繁殖形質については一腹総体重の利用が考えら れた.乳頭数については，雌系純粋種では利用可能性は限定的であるが，雄系純粋種では利用可能性があると考えられた.