Elotuzumab, lenalidomide, dexamethasone (E-Ld)療法力 著効した髄外腫瘤を伴う難治性多発性骨髄腫

摘要

56歳男性。多発性骨髄腫に対してbortezomibで治療導入も有害事象により中止し，lenalidomide, dexamethasone (Ld)療法および自家移植併用大量化学療法で完全奏効を得た。Ld維持療法は免疫原性血小板減少 症のため中止した。病勢増悪のためpomalidomide, daratumumab, ixazomibによる化学療法を行うもいずれも 治療抵抗性であった。左側胸部の髄外腫瘤の増大に対し放射線療法を施行するも効果不十分であり，short VAD 療法後，elotuzumab, lenalidomide, dexamethasone (E-Ld)療法を導入し，8サイクル後に髄外腫瘤は消失し た。本症例は，late-phaseにも関わらず，E-Ld療法により髄外腫瘤に対して臨床効果が得られた初めての報告 である。本症例特有の治療経過がE-Ld療法が著効した理由と関連している可能性があリ，elotuzumabの抗骨 髄腫作用を考察する上でも貴重な症例と考えられる。