鳥取市秋里下水終末処理場での消化ガス発電事業

摘要

バイオマスとは化石資源とは異なり、動植物に由来する有機物であり、再生可能なエネルギー資源として注目を集めているものである。その要因となっている一つが、2012年に始まった再生可能エネルギー固定価格買取制度（FIT制度）である。本制度により再生可能エネルギーの導入は進んでおり、2011年では、再生可能エネルギーの割合が2.6%であったのが2018年度には9.2%となっている（大規模水力は除く）。さらに、2020年1～6月は国内の総発電量に占める再生可能エネルギーの割合が、23.1%となったと国際エネルギー機関（IEA）が発表している。これはFIT制度により順調に再生可能エネルギーが導入されてきたことを示している。しかしながら、この再エネ比率の向上に最も寄与したのが太陽光発電であり、バイオマス発電は2030年のエネルギーミックスの目標値の約60%である420万kW導入量となっている（2019年9月時点）。バイオマス発電の特長として、従来廃棄物として有償で処理が必要であったものをバイオマス資源として有効活用できる点や天候等に左右されず、安定的に発電できる点がある。一方、バイオマス発電の導入の課題になっている点として、原料の安定的な供給と確保や管理などがあげられる。この課題を解決するためには、地域バイオマスの利用や地域の雇用創出など地域に根差した事業とすることが重要である。