交差分極-マジック角回転法

摘要

固体試料の核磁気共鳴(NMR)分光法では.溶液試料に比べて分子の運動性や配向が制限されているために各種相互作用が大きい。その結果，局所磁場が平均化されない，化学シフト異方性が大きい，緩和時間が長い等によりスペクトルの線幅が広がり，感度も低い。そこで， 固体NMRではマジック角回転（Magic Angle Spinning: MAS)と交差分極（Cross Polarization: CP)の技術が利用されている。MASでは，磁気モーメント間の相互作用がなす角θの関数(3cos~2 θ-1)に比例することを利用して，試料を外部磁場に対して54.74度傾けて高速回転(数～数十kHz)させることで異方性相互作用を効果的に除去できる。