内科医が精神科のくすりを処方する。

摘要

［第1回プロローグ］ 皆さんこんにちは.内科医の國松です.リウマチ膠原病内科の専門研修を経てリウマチ専門医を取得し,当該領域の専門診療も現在も普通に行っていますが，基本的には総合内科医として働いています.診療では，極力自己完結することに努めています.なるべく角が立たないようにお話ししたいと思うのですが，私は家庭医（総合診療 医）ではありません.患者さんという生体が発する症状（表現型）がどうしてそのような表現になったのかを細かく分析したうえで,どうすればよくなるかを考え,理論ではなく実践する.私はこのような医師を内科医とよびたいのですが，その実践のなかで治療の考案というものがあり，その中核をなすのが「処方」です.私はそのことばか りを考えている医師ですから，自分のことを内科医とよぶことが多いです.さて今回から始まる私の連載ですが，精神科で使われる薬剤を話題にしようと思っています.「向精神薬」と言ってもいいかもしれませんが,「向」ってなんだか謎ですし,日頃私はこの言葉を使わないので「精神科のくすり」と本連載では総称しようと思います.