GNSSを活用したT-iDigital Fieldクレーン衝突防止システムの開発

摘要

建設業が直面する働き方改革·生産性向上の課題に対して，筆者らはCPS（Cyber-Physical System）の概念を導入したデータ利活用型現場管理システムT-iDigital Fieldを開発している（図1）。CPSとは現実（フィジカル）空間における様々なデータをセンサとネットワークを通じて仮想（サイバー）空間に収集し，データの分析·解析を行い，その結果を現実空間にフィードバックすることで，産業システムの全過程に対して効率化させることを目的とするものである。T-iDigital Fieldは工事現場における人やモノの位置，時刻，動きなどのデータを収集し利活用することで，工事関係者が「いつでも」「どこでも」「すぐに」施工状況を共有できるようにすることで，遠隔であっても迅速かつ的確な現場施工管理，施工支援を可能とした。目的に応じてデータ利活用型のアプリケーションを用意してコンクリート打設の効率化や進捗率の把握，遠隔臨場の推進を行っている。本報ではそれらのうち一つであるクレーン衝突防止システムについて，技術概要及びこれらを活用した現場試行事例について紹介する。