FSMSにおける食品機械の衛生設計及びEHEDGの関係

摘要

機械?装置の衛生設計は、HACCPシステムにおける前提条件プログラムの一つである。食品 機械のJISはその衛生設計の評価に利用可能だが、ほとんど知られていない。近年、世界標準 のFSMSの指標に、衛生設計を定めた文書が新たに定められた。FSMSにおける衛生設計と規 格、そしてEHEDGガイドラインの関係を概説する。シリーズの第三回となる今回の研修会で は、ラボラトリの管理状態をモニタリングする活動である内部品質管理と技能試験について紹 介する。2. 前提条件プログラムの要件となっている機械?装置の衛生設計国際標準となるHACCPシステムの前提条件（以下、PRP）は、適正製造規範（以下、 GHP）として、コーデックス委員会（以下、CAC）の「食品衛生の一般原則（以下、一般原則）」に示される。食品製造に関わる機械?装置の衛生設計（以下、HD）は、GHPの第3章に記述される主要 項目の一つであるが、あまり知られていない。HDに対する主な要求を次に示す。（1） 設計?製造はリスクアセスメントに基づく（2） 適切なメンテナンスが可能な構造（3） 適切な洗浄?殺菌が可能な構造（4） 適切な分解が可能な構造（5） 無毒性材料の使用（6） 有害生物の侵入、生息を阻害する効果的な構造HACCPシステムに基づく製造管理を行う事業所は、PRPの要件の一つであるこれらHDを 満たす機械?装置の調達に努める必要がある。この時、HDへの適切性の評価をどのように行う かが問題になる。例えば「適切な洗浄可能な構造」の場合、“どのような方法”で、“どのよう な基準”に従い、適切に洗浄ができる機械であることを評価したら良いのか、などである。