コークス炉で7年以上耐用した溶融石英質炉蓋ブロックについて

摘要

コークス炉で使用される炉蓋ブロックは,開閉による操作で熟的スポーリングが発生するため,低膨張性のコージライト質を主体としたものが多く採用されている。コージライト質のほかに低膨張性の溶融石英質が採用された事例はあるが,煉瓦であったため,結晶化に起因する脱落などで敬遠された経緯もある。しかしながら,キャスタブルブロックの場合,目地なしの一体施工で,各種の脱落防止処置を施すことが可能で,コージライト質同様の耐用性が期待できる。炉蓋は構造的2種類のものがあり,アンカーメタルを内蔵したものと門構造ものである。構造の詳細は割愛するが,それぞれに利点があり,各所でそれぞれの考え方があるので一様ではない。今回7年以上使用した溶融石英質の炉蓋ブロックは,年数以上に外観が良好だったため,使用後状況を調査したので報告する。