高齢者の〈生活〉を見つめる「わがことワーク」の実践:日本の生活保障システムが見過ごしてきたもの

摘要

一人暮らしの“生きづらさ”を“わがこと” として考える.私たちの地域は「いざというときに助け合えるまち づくり」を目標に、福祉課題に注目しながら地域づく りを続けてきました。今日は「一人暮らしを孤立させ ない」をテーマに、ここに集まった地域にかかわる人 全員で、一人暮らしのお年寄りの“生きづらさ”を“わ がこと”として考えていきましょう。ここは、長野県下のとある自治体に位置する、小学 校区とほぼ同じくらいの広さをもつ人口8000人程度 の行政区の1つ。福祉部会（自治会）の世話役のこうした 挨拶から、地域ケア会議が始まった。土曜日の午後、自 治会の役員、民生?児童委員、地域づくり担当職員、高 齢者担当の専門職、地域で訪問診療をしている内科医 や薬剤師など約60名が、地元の公民館に参集している。今日の地域ケア会議のテーマは「わがことワーク」。 参加者が5?7名程度のグループに分かれて、地域で 取り組んだ支援ケースをもとに作成した「事例」を手 がかりに意見交換をする、1時間程度のワークショッ プである［図］。