衝撃圧縮により誘起される物質変化とその材料創製への応用

摘要

“物質”というものが，高圧力下でどのような性質を有しているのか，どのような応答を見せるのか,どう利用できるのかを知るための学術である高圧力科学のうち，衝撃圧縮法による高圧力物質科学では，衝撃圧縮の時間スケール（マイクロ秒以下）だけ実現している圧縮状態や構造相転移の推移を，その場計測により解き明かすことに主眼が置かれている。近年ではX線自由電子レーザーや放射光X線パルスと，レーザー照射により試料内部に生じる衝撃波とを同期させることで，衝撃圧縮下での物質の構造的な情報をより精密に得られるようになっている。一方で，隕石の衝突といった惑星科学的な現象を理解するために，飛翔体を隕石に見立て，対象試料への衝突を模擬した。