日本で出会った下水再利用と水中の健康関連微生物の研究，そして高専での教育活動

摘要

2010年4月に母国の韓闳から留学のため来日して以来，日本での生活は今年で12年目となる。これまで11年間の日本生活では色々な出来事があり，本当に多くの方々に支えられ，努力してきたからこそ今の自分があると思う。しかし，これまで前ばかり向いて走ってきたことから，自ら歩んできた道を振り向いてみることはほとんどなかった。この特別企画の執筆を依頼されてから，改めて自分自身が歩んできた道を今一度振り向いて，日本に来てからどんなところで，どんな方々に出会い，どんなことをしてきたのかを思い出してみた。京都大学(京都府京都市，滋賀県大津市)での7年，土木研究所(茨城県つくば市)での3年，八戸工業高等專門学校(青森県八戸市)での1年が走馬灯のように思い浮かんできた。本稿では，今まさに日本で留学中あるいはすでに博士研究員等で活躍しており，どのように今後のキャリアを積み重ねていくか悩んでいる外国人研究者に対して，日本の水環境分野で活動する外国人研究者の一人として，私自身がこれまで日本で生活しながら感じたこと，自分が経験して良かったことなどを紹介する。