50.二次性血球貪食症候群が持続し,最終的にリンパ 腫関連と考えられた1例

摘要

症例は71歳女性。X年2月頃から38℃台の発熱,倦怠感 持続のため当科受診。CRP軽度増,末梢血に異形リンパ球 ,少数出現からウィルス感染が疑われた。EBV抗体は既感染 パターン,フェリチン? sIL2R高値を示し,PET/CTでリン パ腫や悪性疾患を示唆する異常集積なし。入院後の骨髄検査 で血球貪食像を認め,ウィルス関連血球貪食症候群と診断。 ステロイド開始するも効果は一時的。骨髄穿刺再検するも血 球貪食のみ。CyA,トシリズマブ等を使用するも効果は乏し く血小板減少が持続。7月3回目骨髄穿刺で貪食像はやや減 少したが，呼吸不全で死亡。剖検は得られなかった。3回目 の骨髄染色体検査でt(3;14)を伴う異常が報告され,clot病 理再精査で一部に異形細胞の集簇が認められた。軽度脾腫以 外にリンパ節腫脹や腫瘤形成を伴わなかったことから血管内 大細胞型B細胞リンパ腫の可能性が疑われた。二次性HPS の鑑別について考察を加え報告する。