幼児期の教育に関わるエネルギー環境教育の動向: 日本エネルギー環境教育学会の研究を中心に

摘要

2017から2019年の学習指導要領改訂によって，幼児期の教育から高校以上の教育が一貫性をもち,校種間の連携がさらに図られることになった.幼児の教育と小学校以上の教育の連携も重視されるようになっている.生涯を通してエネルギー環境教育が行われるためには，これまで以上に幼児期のエネルギー環境教育も重要になってくるであろう.そこで，日本エネルギー環境教育学会を中心に幼児期に関わるエネルギー環境教育の論文を見ると，全体の2.2%であった.また，他学会等を含む幼児期のエネルギー環境教育の論文を見ると，幼児を対象とした実践が多く，電気のおもちやを使った実践の他に，植物を育てる太陽のエネルギー，放射線，絵本の可能性に関する論文があった.その他に，少ないが，調査研究，教材開発，保育者研修，保育者養成課程からの研究があった.幼児期のエネルギー環境教育はこれからであり，幼児期のエネルギー環境教育を推進するためには，エネルギー環境教育全体を俯瞰した上での様々な視点での研究の積み重ねが必要であろう.