消費を通じた被災地復興支援行動と利他的意識に関する一連の研究

摘要

2011年に起こった福島原子力発電所事故以降，被災地域で生産された商品を消費することで復興を支援しようという動きが活発化した。本業镄の一部で行った福島原発近辺の水に対する購買意欲に影響を及ぼす要因に関する研究では,復興支援への関心といった利他的意識が消費を通じた支援行動と関係している可能性が示唆された。しかし，これまで,人々の利他的意識の度合いを尺度で推計し,利他的意識の度合いが復興支援への積極性と関係しているのかを計量的に分析した研究は存在していなかった。そこで，本研究では，日本人向けに開発した利他的行動尺度を用いて，復興を目的とした震災の被害を受けた地域で生産された農産物の購入に関し，利他的意識の度合いの高い人の方がより被災地への寄付を目的とした購買意欲が高いのかを検証した。