2000年度ノーベル賞受賞者の業績と人柄

摘要

1. 化学賞; 2. 物理学賞; 3. 生理学#12539;医学賞. 2000年のノーベル化学賞は，筑波大学（名誉教授）の白川英樹博士，カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授のAlan J．HEEGER博士，ペンシルバニア大学教授のAlan G．MACDIARMID博士の3名が受賞した．“導電性ポリマーの発見とその研究の展開”の成果に対してであった．今回の賞で注目すべきことは，この研究が物理と化学の学際領域のものであるとともに，現代の物性科学の発展方向，すなわち物質の多様性と可能性を追求するという方向性を象徴していることである．また白川博士の最も重要な研究成果がまず東京工業大学であげられ，電気伝導性にかかわる重要な展開は，3氏の共同によってペンシルバニア大学でなされたという点で，この研究はまさしく学際#12539;国際共同のたまものといえる．