多様な理化学性の土壌が混在する地域での土壌管理とべドロジー沖縄本島のマージ土壌の乾燥に伴う硬化の問題を例にしてー

摘要

沖縄本島中央部に分布している土壌は，通称マージ土壌（琉球石灰岩を母材とする暗赤色土（島尻マージ）ならびに国頭礫層等を母材とする赤色土及び黄色土（国頭マーしジ））である。 マ、ージ土壌は，耐食性（特に国頭マージで水食＝赤土流出が大きな問題となつている），下層土の緻密化（島尻マージで顕著に発生），保水性の低さ，易耕性の悪さなど，物理性の面でさまざまな問題を有する。 マージ土壌が易耕性に劣ることの原因の一、つは，乾燥時に著しく硬化し砕土性が低下する場合が多いことである。しかし，乾燥に伴う硬化の度合い（以下では硬化強度と呼ぶ）は試料によって大きく異なる（久保寺，山田，1997）。 マーしジ土壌は南西諸島に広く分布しているため，その硬化強度に影響する因子を解明することは，沖縄本島中央部のみならず，南西諸島全域における土壌分級や土壌管理の上で重要である。