Gynecologic Cancer婦人科腫瘍進行卵巣癌初回化学療法を再考察しょうⅡ. 卵巣癌におけるべバシズマブの役割

摘要

卵巣癌はⅢ～Ⅳ期の進行症例として診断されることが 多く,手術に加え薬物療法が必要となる。2011年にパク リタキセル+カルボプラチン（TC）化学療法とべバシズ マブ（Bev）併用+維持療法が無増悪生存期間（PFS）を 延長することが報告された。日本では2013年にFIGO Ⅲ～Ⅳ期の卵巣癌においてBevがこの用途で承認され た。そして，2018年にプラチナ感受性再発に対するオラ パリブによる維持療法が承認されるまで,Bevは卵巣癌 に使用できる唯一の分子標的薬であった。腫瘍の成長に は血管新生が必要であり,血管内皮増殖因子（VEGF）へ の抗体であるBevは血管新生を阻害し腫瘍の成長を抑 制する。本稿では，卵巣癌におけるBevの役割と限界に ついてこれまでのエビデンスを整理し，どのような症例 にBevを使用すべきかについて考察する。