ユニークな特性を有するが問題も抱える「フッ素系化合物」

摘要

虫歯予防で歯にフッ素を塗ったり、油性の食品を包む耐油紙や水や油をはじく撥水撥油剤にフッ素系化合物を使用したり、同じくフッ素系のテフロン樹脂をフライパンやホットプレートなどの調理器具に加工すれば焦げ付き防止になるというように、フッ素系化合物は意外と身の回りで使用され、食品関係に使用することも米国食品医薬品局（FDA）で認可されている。 これらの特性はフッ素に特有のもので他に代替する材料が見当たらず、かけがえのない特性であるが、この化合物製造に際し微量に残存する遊離のフッ素含有基の環境中への蓄積性が高いとして、米国の環境保護庁（EPA）が規制に乗り出した。 これに対応してフッ素系の耐油加工剤や撥水撥油剤のメーカーは早速規制に対応した製品の発表を行っており、今回はこの問題を含めフッ素系化合物に関する話題について触れてみたい。