内外において再生可能エネルギー普及拡大が進展し,電カシステムの運用に影響を与えつつある.太陽光発電等の導入が進む日本においては,政府により再エネ主力電源化や,2050年にカーボンニュートラル,脱炭素社会の実現を目指す方針が示され,さらなる再エネ拡大が予想される.しかし,再エネの中でも普及が進む自然変動電源(太陽光,風力発電)は,気象条件により発電出力が不規則に大きく変動し,火力とは異なり,出力を自在に制御することが難しく,電力系統への導入拡大は容易ではない.自然変動電源の導入拡大のためには,余剰電力の発生や,その急な出力変動に対応するための対策が必要になる.対策が不十分になれば,再エネ出力が大きく変動した際,需給ギャップが拡大し,周波数や電圧が適正値を逸脱して電力品質に影響を与える等の問題が発生する.そのため,電力需給バランスの維持のため,調整力の確保による電力系統の柔軟性の向上が再エネ大量導入時では重要になる.調整力の確保策として,火力等の出力調整や,デマンドレスポンス(DR)等が挙げられるが,近年,アグリゲーションやVPP(Virtual Power Plant)等の分散型資源の統合的運用技術の進歩を踏まえ,コージェネレーションシステム(CGS)の調整力としての価値が注目されている.
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