会長就任にあたって

摘要

7月3日に開催されました理事会にて，選挙結果と社員総会での選出結果を受け，熊倉前会長の後任として低温エ学·超電導学会の会長に就任致しました。よろしくお願い申し上げます。私と低温工学·超電導学会の出会いは1979年まで遡ります。当時は低温工学協会でした。電力中央研究所に入所し，液体窒素冷却による送電ケーブル，超電導コイルによるエネルギー貯蔵，超電導発電機などの研究に従事することとなりましたが，学生時代は高電圧工学が専門で，液体窒素を扱ったことがある程度の知識から研究を始めることとなりました。また，電力中央研究所には本格的に液体へリウムを扱った先輩研究者がおらず，まったくの手探り状態からの研究スタートでした。そのような私にとって，低温工学の春と秋の研究会発表会は「宝の山」でした。特に当時はパラレルセッションが少なく，3日間，先輩の皆さんの発表を拝聴致しますと当時の低温技術，超電導材料，マグネット技術，電力応用研究の最先端の研究成果を幅広く勉強することができました。また，全くの素人の私の質問にも，セッションでの質疑応答，休憩時間，懇親会と場所を問わず懇切丁寧に御説明して下さいました。その御蔭をもちまして，超電導電力応用研究者として世界の仲間からも受け入れてもらえたものと思います。低温工学·超電導学会の皆様には感謝しきれない思いです。