水素と燃料電池

摘要

最近、社会における水素と燃料電池の位置づけが大きく変化してきていると感じる。元々、約半世紀前から高効率エネルギーシステムとして燃料電池は長年、期待されてきた。一昔前、「水素と言えば燃料電池」であった。筆者がかけ出しの助教授だった2000年代前半、FCDICの燃料電池シンボジウムは、上野（池之端文化センター）で開催されていた。大きな会場の奥まで聴講者<<めかけ、1年間の研究成果を多くの方々の前で発表できる、緊張する晴れ舞台であった。その後、家庭用燃料電池のエネファームや燃料電池自動車が実用化された。