乳癌化学療法目的で留置した内頸静脈留置ポートがカテーテル断裂した8例

摘要

要旨 乳癌化学療法を目的として2016年4月?2021年8月までに414例に皮下埋没型静脈ポートを留置した。ピンチオフ症候群による断裂を回避する目的で,全例で内頸静脈アプローチを選択したにもかかわらず8例（1.9%）でカテーテル断裂が生じた。年齢は44?62（中央値50.5）歳,全例女性でADL自立。利き手側4例,非利き手側4例で,周術期補助化学療法6例,進行乳癌2例,留置から断裂までの期間は17.7?54.2（中央値41.7）か月であった。断裂が発覚したきっかけは,逆血不良4例,CT皮下気腫1例，造影CT皮下造影剤漏出3例,なし1例であった（重複あり）。断裂した部位は全例が鎖骨部皮下であった。部分断裂5例,完全断裂3例であり，完全断裂した3例はカテーテル先端が右房内に迷入していたため経皮的血管内操作で除去した。