小笠原エコツアーガイド

摘要

東京都小笠原村に属する小笠原諸島は，東京の南約1000～1200kmの太平洋上に散在する島々で，ハワイやガラパゴスと同じく火山島を起源とする日本で唯一の大洋島である．過去に大陸と陸続きになったことのない大洋島は進化の実験場といわれ，固有種が数多く生息している．小笠原に自生する約450種の高等植物のうち40％が固有種である． 気候は，小笠原高気圧と暖流の黒潮の影響が大きい亜熱帯性で，東京と比べて特に冬が暖かい．年降水量は，東京と同程度の1255mmほどで，気温が高いわりに雨が少ない．ウミガメが泳ぎ，熱帯魚が群れるサンゴ礁の海や木性シダやビロウ，ヤシ，タコノキなどの南方的景観が広がっている．