放射線アラカルト 飛行機搭乗時のX線検査

摘要

コロナ禍のため、どこか遠くに行きたがりの筆者であるが、飛行機を利用する旅行には行けなくなった。その結果、飛行場でのセキュリティー対策用のX線検査を受けることが無くなった。空港には、「荷物用」と「人体用」の二種類のX線装置が存在する。·荷物用検査。まず「荷物用」は、X線源から広がるX線照射エリアを「荷物」がベルトコンベアに載って通過していき、荷物全体の画像が得られる。全体像に加えて、密度分布が得られる機能がある装置もある。密度を得るために、荷物が通過する場所の下部に、線源からの放射線を細く絞るためのスリットを置き、スリットの上方に二種類の厚さの異なる固体シンチレータ（蛍光体）を線源からの距離を変えて、放射線検出部として置く。これにより密度分布図が得られ、軽元素を含む有機物から重元素物質である金属まで、一目で物質の状態が判別できる。その結果、拳銃、刃物、プラスチック爆弾（可塑性のある粘土のように容易に小分け·変形できる混合爆弾を指し、プラスチックなどの合成樹脂製の物を指すものではない）等を特定できる。