ユーザ満足度の高い映像サービスを提供するためには,ユーザ体感品質(QoE:Quality of Experience)に基づくサービス設計·管理が重要である.品質に対するユーザ意識は利用するサービスの形態,例えば,有料/無料,年代,性別,利用頻度等でも異なってくる.本稿では,Webアンケート調査結果から,2つの有料市中サービスを対象に分析を行い,利用頻度(毎日,2~3日,1週間)と体感品質の関係及び劣化事象の許容度の関係について明らかにした.その結果,利用頻度が高いほど,品質劣化を体感し,気になる割合が高いことを確認した.しかし,品質劣化事象の許容度については事象毎に傾向が異なり,利用頻度が高い場合でも必ずしも厳しい傾向にはならなかった.また,無料サービスのみを利用している場合と,無料サービスと有料サービスを併用した場合について,品質における重要度と満足度の関係をCSポートフォリオ分析により明らかにし,いずれの利用形態においても,品質の重要度が高いが満足度が低く,利用形態による差異が無いことを示した.
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