人の振り見て我が振り直せ：最終回 どのような失敗に注意すべきか

摘要

ついに最終回。本当は初回に論ずるべきだったが、今回は製造業ではどんな失敗が起きているかを分類してみよう。分類できれば、回避にはどの方法を選べばよいのか、自ずと決まってくる。でも偉い人ほど、何も分析せずに失敗を論じるものである。たとえば、「近頃の若い人は本質を考えていない」とか「ベテランがいないから現場がチョンボする」。本当かなあ。筆者は今日、あるソフトウェア会社で失敗学の研修をしてきた。研修ではいつも、自分個人が仕事で経験した失敗を書いてもらって、それらに共通するシナリオを摘出し、どうやってそれらを回避するかを議論する。まず、仕事の要求機能（または目的·課題）に注目して、失敗を3つに大別しよう。