原子燃料サイくルの現場：12.ガラス固化体の地層処分研究開発

摘要

原子力発電所から出る使用済燃料を再処理し，ウラン，プルトニウムを分離した後に残る高レベル放射性廃液を，ガラス原料とともに高温で溶かし，ステンレス製のキャニスターに封じ込めたガラス固化体は，原子力発電所が稼働する限り発生し続ける。 日本の使用済燃料の再処理は，1981年1月に茨城県東海村の核燃料サイクル開発機構（サイクル機構，旧動燃）の再処理工場で始まったが，最終処分の方法や処分地が決定していないことから日本の原子力政策は国民の批判にさらされてきた。 このため，使用済原子燃料を再処理してつくるMOX燃料を燃やすプルサーマルの導入は各地で行き詰まったままだ。 サイクル機構が地層処分研究開始から25年を経て，研究成果第2次取りまとめを提出したことにより，高レベル放射性廃棄物の地層処分研究開発は国の高い評価を受け，ガラス固化体は地層処分に向けて具体的に動き出した。地層処分研究の経緯と現状をサイクル機構で取材した。