畜産農家にわかりやすく 臭気マップで臭気を「見える化」

摘要

栃木県では、畜産経営に起因する畜産環境 関連の苦情があり、特に悪臭に対する苦情が多い（令和元年6月現在83件中49件が悪臭に よる苦情)。中でも養豚経営は他の畜種と比 較して悪臭に対する苦情の割合が多く、地域 の中で畜産経営を続けるためには、臭気対策 は必要不可欠である。しかし、効果的な対策 の取り組みは進まず、経営者をはじめ関係者 にとつては悩みの種である。取り組みが進ま ない原因の一つは、臭気（臭気物質）そのも のを人間が視覚でとらえられないため、効果 的な対策を講じにくいということだった。栃木県養豚協会（事務局:栃木県畜産協会） では、臭気対策が最後の問題と捉え、県と一緒に臭気問題に取り組んでおり、平成27年から「畜産 臭気低減対策推進事業」を 実施している。事業を始めて1年目の 頃、農場の臭気測定を行い、 分析結果を農場主に説明し たが、なんとなく分かって いないような感じが見て取 れながらも、説明を続けた。 しかし農場主が「一目でわ かるような感じにしてくれよ」と言われたことが臭気マップ作成の最初 への一歩である。