緊張型頭痛の薬物療法

摘要

緊張型頭痛（TTH）は,全頭痛のなかで,最も多いタイプの頭痛である。急性期治療薬としては,鎮痛薬や非ステロイド性抗炎症薬（NSAIDs）を内服する。痛みの早期からの 内服が推奨される。難治性のTTHには,予防療法を行う。予防療法として,筋弛緩薬，抗うつ薬,抗不安薬などが推奨さ れる。また,運動療法（頭痛体操など）も有用である。薬剤の使用過多による頭痛〔薬物乱用頭痛（MOH）〕を起こさないために,急性期治療薬は1週間で 2～3日以上の使用は避ける。緊張型頭痛（tension-type headache ； TTH）は一次 性頭痛のなかでも最も頻度が高く,特にわが国では,有 病率が22.4% （男性18.1%,女性26.4%）で，全頭痛の 56.3%を占める。