性分化疾患(現在ではdifferences of sex development :体の性のさまざまな発達: DSDsとも呼ばれる)とは,「染色体や性腺,もしくは解剖学的に,体の性の発達が先天的 に非定型的である状態」と定義されるいくつかの体の状態の包括用語である。LGBTについての各種媒体では,DSDsに対して「男でも女でもない」,「性別が暖昧」と いった単純化された伝え方がされている.しかし近年,LGBT人権先進国のオランダやべ ルギ一の国家機関による調査が行われ,実はDSDs当事者の大多数は,自分が女性-男性 であることに全く疑いをもったこともなく,体の一部の違いによってむしろ女性?男性と しての自尊心が損なわれ,むしろ周りから自分が普通の女性?男性だとみられないのでは ないか恐れているという実態が明らかになつている(表1).さらに,DSDsに対する医 学的知識も飛躍的に進歩し,昔の「半陰陽」イメージを元にしたフレームワーク,用語は現在では不適切とされていることもほとんど知られていない.
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