ガスの溶解度と拡散係数(4)

摘要

物理吸収の場合には,溶質ガスは気相中を拡散して気液界面に到達し,ここで液相中に溶解したのも引き続き液相中を拡散する.したがって,この場合の吸収速度は溶質ガスの気相おょび液相拡散係数にょって大きい影響を受ける.一方,反応吸収の場合には,液相中での溶質ガスの界面からの拡散に並行して,液相中の反応成分の液本体から界面ヘ向かう拡散も起こるから,反応成分の液相拡散係数も吸収速度に影響を与える.なお,溶質ガスや反応成分が電解質で,これらが液相中でイオン化する場合には,分子拡散係数ではなく,イオン拡散係数が吸収速度に影響する.