重力下の軸対称メニスカス表面における任意の2点の位置と接線角から液体の表面張力を決定する手法

摘要

接合プロセスにおいて重要なぬれ性を評価するための試験には，メニスコグラフ試験や平面上液滴（Sessile drop）試験等，様々なものがある．それらの試験において液体形状（メニスカス形状）のみの情報から表面張力を決定できればプロセスや継手の設計に有益である．具体的には，メニスコグラフ試験やWilhelmy法の場合，力を測ることで表面張力を決定することができるが，接触角と浮力も同時に測る必要がある．メニスカスのみの情報から表面張力を決定できれば，動的に変化する接触角や浮力の評価のための工夫が不要となる点で有益である．また，平面上液滴（Sessile drop）試験の場合，ぬれ性の評価のために主に接触角を計測するが，メニスカス形状のみの情報から表面張力も同時計測できれば有益である．表面張力は不純物や雰囲気に敏感で，ぬれ性評価時の表面張力が理論的に求めた値や別の方法で測った値とは限らないためである．