Cu/Al爆発圧接材の接合界面の冷却過程および中間層の生成過程のシミュレーション

摘要

爆発圧接法は，爆薬の爆轟を利用し，金属板同士を数百m／sで傾斜衝突させて接合する方法である．爆発圧接法を用いれば，溶融溶接では接合が困難な金属の組み合わせでも接合が可能であり，接合面積が数m~2の大きな接合材を作製できる．異種金属爆発圧接材の接合界面形態は金属の組み合わせ，衝突速度Vや衝突角度βによって大きく異なることが知られている．またCu/AlやAl/Fe接合材等の接合界面には，中間層が生成されることが知られている．接合界面に沿って硬くて脆い中間層が生成されると，接合強度は著しく低下する．よって，中間層生成による接合強度の低下を防ぐためには，接合界面での中間層の生成過程を明らかにし，中間層の生成を制御あるいは抑制する必要がある．我々は前報でCu／Al爆発圧接材の波状界面形成過程とそれに伴う接合界面の温度変化を数値解析により検討し，接合界面近傍での温度上昇や，接合界面における局所的な融解挙動について報告した．中間層の生成過程を明らかにするためには，接合界面の高温からの冷却過程を明らかにする必要がある．しかしながら，爆発圧接法は，数μs～数百μsの極短時間で接合が完了する．よって接合界面の冷却過程や中間層生成過程を実験的に観測することは困難であり，このため従来，接合後の組織観察結果からその冷却過程を推測することしかできていない．