つながるか、核燃料サイクルの環 2：6.再処理工場、稼動へ

摘要

2006年3月31日午後、日本原燃は青森県六ヶ所村の六ヶ所再処理工場で実際の使用済み核燃料からプルトニウムを抽出するアクティブ試験を開始した。 17ヵ月の期間をかけ、試運転の最終段階になるこの試験で、核分裂生成物の分離性能、ウランとプルトニウムの分配性能、環境への放出放射能量などを確認する。 試験は操業時の工程とほぼ同じで、実際の使用済核燃料約430トンを使って、プルトニウムを2トン程抽出するため、事実上の操業である。 再処理工場は不良施工問題や設計ミスのトラブルが続き、試験実施に対し、反対する声が高まったが、日本原燃は品質保証体制を確立させ、地元六ヶ所村民、青森県民の信頼回復に努めてきた。その結果、県、六ヶ所村との安全協定締結の2日後に試験を開始するという異例の早さに、周辺地域の人々は戸惑いを隠せないでいる。 プルサーマル導入を予定していた関西電力、東京電力の原発では、MOX燃料のデータ改ざんやトラブル隠しが発覚し、計画は撤回されたままになっているが、九州電力玄海原発で3月26日、地元の了解が得られ、プルサーマルに道筋がついたことが追い風になった。 原子力エネルギー政策の柱と位置付けられている核燃料サイクルの環がつながる見通しがようやくついた。