スパッタ法で作製したTiO{sub}2電極の光音響スペクトルと光電気化学特性－酸素分圧特性

摘要

二酸化チタン(TiO{sub}2)はphotonの吸収により電子·正孔対を生成し、それらの電荷分離を利用する湿式太陽電池への応用が活発に研究されている。 現在、TiO{sub}2電極の作製法としてはペースト法などの化学的製膜法が主流であるが、化学的製膜法では実用化を考えた際大面積化が困難である。 そこで今回は、大面積化が可能で工業的にも広く用いられているスパッタリング法を用いてTiO{sub}2電極を作製し、スパッタ時の酸素分圧の違いがTiO{sub}2の光吸収。光電流特性にどのような変化をもたらすかを、光音響（Photoacoustic，略してPA法）分光法と光電気化学電流（Photoelectrochemical Current，略してPEC）分光法によって評価を行った。PA分光法の適用は、光散乱が大きい物質においても光吸収情報の測定を可能とする。 PAスペクトルとPECスペクトルでは、酸素分圧の増加に伴い、吸収端以下のPA信号は減少し、PEC信号は増加していることが判明した。 酸素分圧を増加していくことにより欠陥等が減少し、その欠陥に捕われる電子が減少したため光化学電流値が増加すると考えられる。