牛における血斑発生の原因と対策一特に対米輸出用食肉処理施設で注意すべき点

摘要

和牛肉の輸出が増えており、たとえば米国へ 輸出する場合、対米食肉輸出要綱に基づき、 と畜処理を行う必要がある。わが国の一般的 なと畜処置では、牛を気絶させた（スタニング） 後、すぐに横臥状態のまま喉刺し（ステッキン グ）し、その直後に牛体を後肢で吊り上げ、放 血させている（図1)。一方、対米輸出処理用 施設では、牛体の血液による汚れを防ぐため、 スタニング後、牛を後肢でレールに吊り上げた後に放血場所に移動させてからステッキング することになつている。このステッキングにおけ る横臥状態からの懸垂状態での変化に伴つ て対米輸出処理施設では血斑発生が増加 し、問題となっている。