安全を考える

摘要

われわれは、幼いときから「気をつけて！」と親の反復警報を聞きながら、転ばないで走るようになり、交通信号にしたがって右手をあげながら横断歩道をわたる社会ルールと出会い、スポーツでスピードと力の技（スキル）を磨き、図工でケガをしないカッターナイフの使い方を学び、安全の術を身につけていくのである。このように人間は、生まれてこの方、最初は親や家族による守られる安全から、自己防衛本能によって、日常生活や遊びの中から、危険の存在や安全を自然のうちに学ぶ。そしてさらに社会生活における規則の大切さと、仲間で安全を築く術を勝ち取っていっており、本来的には個人個人が相当高い安全術を備えているはずだと考えている。しかし社会には事故や災害が非常に多く、とくにわれわれ製造業の事故·災害は重大な社会問題になることが多い。