微細藻類を用いた下水のリファイナリー: 下水リン回収の自発的普及に向けて

摘要

琵琶湖の近くで育つたためか、私は子どもの頃カゝら水質に興味があり、大学生時代も湖·河川の富栄養化に関する研究を行っていました。なかでも「リン」は、最重要のキーワードとなっています。琵琶湖富栄養化においてリンが主要な原因物質であつたことが影響しているのだと思います。リンは富栄養化をもたらす栄養塩のー つで、窒素とともに下水高度処理において除去の対象ともなっていることはご存知のとおりです。もとを辿れば、窒素·リンは我々がロにする食品に由来します。さらに言えば、1940年代から始まった「緑の革命」において品種改良や化学肥料の導入により農作物生産量が急増1)し、それとともに食品の消費量が増加したことが人為的富栄養化のきつかけであると言えるでしよう。