プラズマ溶接における画像処理による溶接線検出と倣い制御

摘要

溶接生産技術は鋼材の接合において必要な技術であり，近年，溶接プロセスの高能率化·高効率化品質の安定化および信頼性の確保に対する要求が高まっており，厚板の突合せ溶接において，安定な裏ピードを形成することが高品質溶接を実現するために重要である．また，一般にGMA溶接では，スバッタやビュームが発生するためビュームによる塵肺の防止など溶接環境の改善が求められている．溶接の高品質化および作業環境改善の目的に対して，非溶極式でスバッタやビュームの発生しないプラズマ溶接が有効である．この溶接ではアークを強制的に狭さくさせるため，従来のアーク溶接に比べ非常に電流密度の高いアークが得られ，より効率のよい溶接が可能である．しかし，溶接条件因子が多く，安定した溶接を行うたぬには大きな制約を受ける．一般に厚板溶接では，ギャップ変動，コンジットケーブルの曲りや位置などによるワイヤ送給抵抗の変動やワイヤ狙い位置の変動などの外乱により溶接品質が変動する場合があり，これを一定に保つように適応制御が必要となる．しかし，プラズマ溶接では，ギャップを設けない突合せ溶接を行うので，これらの変動による影響を受けない．このため，適切な溶接条件が選択され，溶接線に沿って溶接が行われている場合，安定な溶接結果を得ることが容易である．ロボットなどを用いた自動溶接の場合，キーホール形状の安定化のたぬにチップと母材間距離（スタンドオフ）を一定に保つこと，および，溶接線の検出および倣いが重要となる．