平底円筒タンクに作用する地震時動液圧の評価: 動液圧評価手法の提案

摘要

近年，南海トラフ地震や首都直下地震の切迫性が指摘され，耐震設計の設計震度が大きくなる傾向があるので，それに伴い設計動液圧も大きくなる。また，ISO2394では，信頼性に基づく性能設計として限界状態を満足する定量的定式化をすべきと記述されている。このような背景から，実際の応答により即して，かつ安全側の耐震性評価になるような連成圧と剛体圧の組合せ法が円筒タンクの合理的な耐震設計を行う上で必要である。本報告では，以前提案した円筒タンクをせん断梁と近似する固有周期の計算法を発展させた運動方程式を導き，時刻歴応答解析および修正震度法における連成圧と剛体圧との組合せ法について検討を行う。その結果から修正震度法における連成圧と剛体圧との組合せ法についての提案を行う。また提案した組合せ法を容器構造設計指針，高圧ガス保安協会規格およびによる動液圧計算法と比較考察する。