高入力電圧·軽負荷時にフライバック動作を適用したLLC電流共振形DC-DCコンバータ

摘要

LLC電流共振形DC-DCコンバータは広負荷範囲においてZVS動作可能なため，高い電力効率を達成することができる.しかし，軽負荷かつ入力電圧が高い時，レギュレーションを保つためには動作周波数を高くする必要がある.そのため，周波数制限があるアプリケーションに適さない.さらに，高いdv/dtを引き起こすことに繋がり，電源としての信頼性を低下させ,EMIの問題が生じる可能性がある.そこで，本稿では追加素子無しで，二次側同期整流LLC電流共振形DC-DCコンバータの軽負荷時の周波数の増加を比較的抑制しつつ，レギュレーションを保つ制御方式を提案する.従来回路に適用する制御方式のみを変更しており，動作がフライバックコンバータと類似しているため，「フライバック動作」と呼ぶ.48V/5V-200W仕様のプロトタイプ実験回路にて,負荷電流0.75A時に入力電圧範囲を25%拡大できている.