我が国の産業競争力は1980年代には世界のトップレベルに向上し,工業製品の輸出が急拡大した.その競争力は「ジャパンアズナンバーワン(1979年)」,「ジャパンアズナンバーワン再考(1984年)」,「Made in America(1990年)」などに分析されている.これらの分析を振り返り,最強と思われた産業競争力が,2002年の現在時点までにどのように変化したかについて考察する.主な変化要因として,技術革新(特にソフトウェア技術,情報通信技術),為替レート,グローバル化,バブル崩壌,アジア諸国の工業化,生産の海外化,雇用状況,国民気質,産業政策などが挙げられる.これらの諸変化要因について考察する.
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