「亡くなる前の点滴をどうするか」点滴の量とコミュニケーションの工夫

摘要

終末期の点滴を考えるにあたって，まずは国内のガイドラインをみてみよう.日本緩和医療学会「終末期がん患者の輸液に関するガイドライン（2013年版)」では，輸液がQOLや生命予後を改善するかというクリニカルクエスチョンに対し，見込まれる予後とperformance status (PS),消化管閉塞のあり'なしに分けて記載されている.簡素化していえば，消 化管閉塞によって食事がとれないがPSが保たれている場合は補液をしつかりするべきで あるし，がんの進行によって食事が摂取できず，予後も1?2週と限られる状況であれば， 補液を減らすか，補液を行わないことが推奨されている.高い推奨度のわりに，ェビデン スレベルは低いと提示されている点に注意が必要である.