ドロネー単体分割を利用した位置決め誤差補正手法と大型成形機への適用

摘要

近年IoT技術，通信技術の発展により，デジタルツインの産業応用が進んでいる．製造業においては，Industrie 4．0の提唱以来，デジタル化による生産性向上活動が各国で進んでおり，サイバー空間上に現実の工場あるいは生産ラインのモデルを構築したCPS（Cyber Physical System）の有効性が提唱され，多数の実用化事例が報告されている．デジタルツイン活用による製造工程の検証は今後ますます拡大していくものと想定されるが，工場や生産ラインのデジタルツイン構築の際に必ず直面するのが，計算機上のモデルと現実の誤差の扱いである．現実の生産ラインの挙動を計算機上のモデルと完全に一致させることは不可能であり，この誤差が大きい場合，計算機上のモデルでは問題なく動作しても，現実では想定した動作ができず，デジタルツインを活用した事前検証が意味をなさなくなる．これを避けるためには，現実とモデルを合わせるための誤差補正技術が必要となる．