給与の乳牛へ 及ぼす効果CNSL (カシューナッツ殻油)

摘要

ホルスタイン種乳牛においては育種改良に よる乳量増加の半面で乳量に見合った栄養 摂取が困難な個体が数多く出現しておりその 影響で繁殖成績が低下することが問題となっ ている。代表的な現象として分娩直後から発 生する低栄養状態の期間（負のエネルギーバ ランスの期間）をどのようにして短縮すること ができるかが直接の解決策として挙げられて いる。不足する栄養を補う目的で乾物摂取量 (DMI)を高める飼料給与法に関しては、容 易であるように見えるがさらなる乳量増加が引 き起こされるなど低栄養改善について未解決 の課題も多く、過去20年間以上検討は続いて いる1著者らはCNSL製剤を給与することに より、DMIの向上と乳量の増産が認められる ことを報告してきた2本稿ではCNSLの生化 学的性状による代謝に与える影響、腸管内の 炎症抑制に対する効果、ルーメン微生物の細 胞壁分解に対する効果を解析するとともに、 給与牛の血液分析による効果の検証を行っ た。CNSLの生化学的性状が代謝に与える影 響に関しては、脂質、タンパク質の吸収の促進 が、腸管内の炎症に対する効果では腸管微 生物の分解物による炎症を抑制すること、ルー メン微生物による細胞壁分解では、リグニン分 解の促進が、また給与牛の血液分析ではインで報告する。